【ネタバレ】アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどり4巻【感想】

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『アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどり』はコミックゼノンで連載されている漫画です。

著・荒井ママレ、医療原案・富野浩充。

テレビドラマ化され、2020年4月9日から毎週木曜夜10時より、『アンサング・シンデレラ病院薬剤師の処方箋』として放送されます。
※2020年5月12日現在放送未定

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アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどり3巻・ストーリーと登場人物

【ストーリー】

医師には疎まれ、患者さんには薬を出す窓口の人くらいにしか思われていない。

そんな薬剤師の仕事と、それを取り巻く環境の物語。

【登場人物】

  • 葵みどり 職業・薬剤師(おだんご頭)小児科担当
  • 瀬野さん 職業・薬剤師(強面)休憩時にはカップラーメン食べてる
  • 羽倉(ハク)職業・薬剤師、整形担当
  • 刈谷さん 職業・薬剤師(病院薬剤師に転職してきた元調剤薬局店長)合理首位・効率化の鬼
  • 豊中さん 職業・看護師(救急)
  • 久保山 職業・医師(小児科)
  • 相原くるみ 職業・薬剤師
  • 伊吹響子 職業・看護師(オペ室看護師長/接遇委員会委員長 )
  • 松永 職業・看護師(みどりの同期で接遇委員)
  • 成田淳子 職業・臨床心理士
  • 江林隆二 職業・薬剤師(がん薬物療法認定薬剤師)
  • 小野塚綾(おのづかりょう) 職業・薬剤師(24時間営業の薬局の薬剤師)

4巻から登場

  • 庄司 職業・医師(みどりと同期)内科
  • 仁科さん 職業・薬剤師(在宅特化の薬局で働いている)

アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどり3巻ネタバレ

【注意!】ここからネタバレを含みます。

アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどりは【病院】【薬剤師】を扱った題材です。

原作には薬の名称や病気の名前、病状に対する対処法などが出てきますが、ここでは詳しくは書きません。

ネタバレはストーリーだけです。

もしこのネタバレ記事を読んで、「私が飲んでる薬はこの飲み方で合ってるのかな?」など、薬のことで気になることがある場合は、処方箋を調剤薬局に持って行ったときに薬剤師さんに聞いてみてください。

第16話 月の裏

「生理痛軽い人にはわかんないんだから黙っててよ!!」

遠野倫(とおのりん)は生理痛が重い。

朝ベッドから起き上がれないほどだ。

そこに倫の母が、

「2日連続、生理痛くらいで会社遅刻しちゃまずいでしょ」

などと、小言を言いながらバタバタするもんだから、イライラして口に出してしまう。

会社は冷房がガンガンにかかっていて、厚着する倫。

友だちにランチに誘われても断り、お腹が痛くて一人更衣室で食べたくもないパンを食べる。

行動も制限されてみじめな気持ちになっていくー

そんなときは倫は憧れているマイマイのインスタを見て、元気を出していた。

痛み止めの薬のロキソニンを飲もうとすると、そろそろストックがなくなることに気づく。

そして仕事の帰りに小野塚が働くナカノドラッグに寄った。

倫が小野塚にロキソニンのことを聞く。

小野塚は倫が数日前にもロキソニンを買っていったことを覚えていたので、頻繁に服用している理由を尋ねた。

「…月経痛ですか?」

男の小野塚に聞かれ、女の人に声をかければよかったと倫はうつむいて返事をする。

そして小野塚は、

「我慢することが当たり前だと思わずに、早めに受診した方がいいと思いますよ」

と言った。

後日、倫は婦人科を受診する。

とくに以上は見られなかった。

そこで医師から低用量ピルを提案されたので、試してみることにした。

薬を受け取る際、みどりが倫に薬の説明をする。

一通り説明した後、

「ピルケースで管理しても大丈夫ですか?」

と倫が聞く。

「会社とかで出しづらいので…」

その言葉に引っかかったみどりは、お昼に同じ薬剤師のくるみとピルについて話す。

「特に男性の多い職場だったら気持ちわかりますね」

くるみがそう言ったことで、みどりは隣でお昼を食べていた瀬野さんに、

「男性からしたら生理の話題って気まずいですか?」

と聞いた。

突然聞かれて戸惑う瀬野さん。

…仕事柄知識はあるけど…女性側だって男にそういう話をして欲しくない人も中にはいる。

一緒にお昼を食べていた医師も、「生理痛大丈夫かってこっちからは聞きづらい」と。

みどりもくるみもそういう気遣いや、知ろうとしてもらえることは嬉しいと意見した。

ー後実、症状に改善が見られないため、倫は再度受診する。

処方も違うものにかわった。

薬が準備でき、受付番号が表示されるも取りに来ない。

みどりは「受付番号102番の患者様ー」と呼び、辺りを見回すと、待合の席で倫があまりの痛みのために動けず、うずくまっていた。

「遠野さん!!」

倫は救急に搬送され、鎮静剤により落ち着く。

あまりの症状に本当に生理痛なのか?と疑う医師だが、痛みは生理のときだけ。

ピルがちゃんと飲めてないんじゃないかなど、看護師の豊中さんも一緒に考える。

ビタミン剤なんかもピルケースで管理してたからそれはなさそうだけど…

何か思うところがあったのか、みどりは倫に話を聞きに行った。

そこでわかったのは、倫がいつも飲んでいるサプリメントがピルの効果を弱めてしまうこと。

一緒に飲んではいけないものだったのだ。

サプリメントは医薬品ではないため、副作用について特に調べられていないものも多々ある。

そんな話を聞いて、倫はボロボロと泣きだしてしまった。

「生理痛に振り回されて生きてるみたいで…バカみたい…」

だけど倫にとっては、”憧れのマイマイと同じものを自分の生活に取り入れること”自体が癒しだったのだ。

大泣きする倫にみどりは、

「わたしたち薬剤師になんでも相談してほしい。あなたの生活を支える手伝いを薬剤師にもさせてください。」

そう伝えた。

サプリを飲むのをやめてから、倫の生理痛はピルでかなり楽になった。

あとはたまにある頭痛が気になっている。

ネットで検索しようとする倫だったがそれをやめ、ちゃんと診察に行くことにした。

『拠り所がたくさんあるって、いいかも』

倫は晴れやかな顔で道を歩いた。

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第17話 越えられぬ線

若月陽菜(わかつきはるな)さん、25歳・女性。

オーバードーズ(薬剤の過剰摂取)のため、昨夜救急搬送された。

3年前ほど前からパニック障害の治療中で、オーバードーズでの入院はこれが4度目となる。

搬送時に旦那さんが持ってきていた薬を見ると、いろんなクリニックで処方をもらっている可能性が高い。

若月さんは内科病棟が満床のため、みどりががいる小児科で担当することになった。

主治医はみどりと同期の庄司くん。

担当薬剤師は後輩の相原くるみ。

くるみちゃんが内科を担当してから2回ほど入院していた。

庄司くんとくるみちゃんは若月さんのところに話を聞きに行く。

みどりはその後ろで様子を見ていた。

「いや~…、ついぱくぱく飲んじゃって…」

笑いながらそう答える若月さん。

みどりは”捉えどころのない患者さん”だと感じていた。

「ここではできることに限界があるよ」

担当医の庄司くんがそう言ったあと、担当薬剤師のくるみはまず、薬を出している薬局に連絡してみることにした。

わたしも手伝うよと、みどりは声をかける。

そしたらここにー…と差し出された袋には、”ナカノドラッグ”と書いてあった。

みどりが電話をかけると、案の定、小野塚が出た。

ちょっと気まずく思いながらも、若月さんの履歴を調べてもらう。

その中に”要注意人物”とメモが書いてあった。

翌日、くるみとみどりが若月さんの病室を訪ねると、旦那さんもいた。

くるみが若月さんに病院や薬局などについて話しているとき、旦那さんはスマホをいじっている。

まるで関心がない。

その様子をみどりは気にしていた。

「体調が安定してるから、今日にも退院の話が出ると思うー」

くるみがそう言いかけると、

「さっき先生と話したらーもうちょっと様子見ましょうかってー」

「なんか病院にいると落ち着くっていうか、ちゃんと眠れるしって話したら先生もだったらーって」

くるみは驚いた。

すかさずみどりは「ご主人も納得されてるんですか!?」

と割って入る。

「妻がそう望んでるんで…」

この後みどりとくるみは担当医の庄司くんの元へ行った。

若月さんは入院生活を楽しんでるように見えると。

庄司くんはみどりの腕を引っぱり、別のところで話をする。

『病床稼働率を上げろ』

庄司くんたち医師は、内科部長から『現場の医師ももっと経営面を意識しろ』と言われていた。

それにみどりは反論する。

患者を無駄に長く入院させることに引っかかりを感じて。

若月さんのためとは思えない。

そう言うみどりに庄司くんは言った。

「ーそれを葵さんが言う権利はないんじゃないかな…」

ーーーーー

「それはお前が悪い」

飲み会の場で瀬野さんは言った。

ドクターの診察は間違ってるわけじゃない、様子を診るために入院を伸ばすのも手段のひとつだと。

…みどりと庄司くんが、ふたりでそんな話をしていたんだ…とくるみは少し気になった。

「治療方針を決めるのはあくまで医師だ。」

瀬野さんは言う。

それに病院経営のことだって他人事ではない。

経営が傾けば、真っ先に人材が流出する。

そうなったら医療は破綻してしまう。

その話を聞いたくるみは、

「若月さんの場合は…薬だけじゃなく、病院にも依存してしまうような…」

入院中にできることは限られていて、退院したら応援することしかできない。

みんなそんなふうに考えていたけど、

「んな事ないだろ。病院の『中』と『外』を切り離して考えすぎじゃないか?」

と、瀬野さんが言った。

「俺たち薬剤師は病院の中でも普段の生活に戻ったあとでも、患者と接することができるんだから。」

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第18話 与えられた「役割」

若月さんは小児科に入院している子どもたちが、仲良く遊んでいる姿を見ていた。

「私たちにもいつか赤ちゃんができたらー…」

若月さんがそう言うと、隣にいた旦那さんは引きつった顔をして、

「…今の状態でそんなこと考えられるわけないだろ…」と。

ーーーーー

内科病棟に若月さんは移った。

そこで担当医の庄司くん、看護師、担当薬剤師のくるみたちは、薬の管理や飲み方などの確認をしていた。

今回は臨床心理士の成田さんに面談してもらう予定。

治療の方向性を確認したあと、庄司くんが一人になったところを見計らって、みどりは庄司くんの元へやってきた。

「…あの、昨日はごめんなさい」

「同期で話しやすいからって、自分の感情で話しちゃってた…。信頼してます。それを伝えたくて。」

昨夜、瀬野さんの話を聞いて、みどりはちゃんと考えて謝りにきたのだ。

「…ありがとう」

庄司くんは答えた。

二人が話しているところを、くるみは見かける。

何か言いたげだったが、動けないまま仕事に戻ってしまったー

お昼休憩になり、みどりとくるみは一緒にご飯を食べている。

「薬局は薬もらうだけの場所じゃないってこと、わかってもらわなきゃ」

などをみどりが話していると、

「庄司先生はなんて…?」

くるみが言う。

「えっ?」

「……?」

くるみはみどりが若月さんのことを言っているんだと思った。

さっき二人がなにか話していたから。

「あれはホラ、昨日ちょっと険悪な感じになっちゃったから…くるみちゃんの担当患者の話、くるみちゃんがいないとこでしないよ~」

くるみは庄司くんとみどりが話しているのを見かけたとき、

『若月さんの話してるなら加わらなきゃ』

と思いながら、みどりが話してくれたほうがスムーズだろうと思ってしまっていた。

『目の前の問題に向き合ってないのは私も同じだー…』

患者さんのこと、薬局のことを考えているみどりを前に、くるみは後ろめたくなった。

ーくるみは薬の説明をしに、若月さんの病室に来た。

その中で、

「…この薬ってー飲んでたら妊娠しちゃダメなやつ?」

若月さんの質問にすぐに答えられない。

『何か言わなきゃ、なんでもっと調べておかなかったんだろうー』

気持ちが顔に出てしまい、若月さんに心配されてしまう。

「あんまり真面目にやりすぎると、私みたいにビョーキになっちゃうよ」

若月さんは会社勤めしていた時に電車で初めて発作が起こり、それを何回か繰り返し、1年もたたずに会社を辞めた。

そしてその当時付き合っていた現旦那さんと結婚し、専業主婦となった。

「生活の心配しなくていいよ、家でぼーっとしてていい」

旦那さんのことを”優しいよね”と思いつつも、

「自分てなんなのか、忘れそう」

「でもここにいる間は”患者さん”だから、役割があるっていいよね」

若月さんはそう言った。

ーその頃、みどりのもとに一通のメールが届く。

ナカノドラッグの小野塚からだった。

若月さんが受診していたクリニックについて、あまり評判がよくないらしい。

噂で判断するのはよくないが、疑義(処方箋に疑わしいことがあった際に薬剤師から発行した医師へ問い合わせること)にもあまり取り合ってくれなかった。

念のために知らせてくれた小野塚に、みどりは返信する。

かかりつけ薬剤師の業務についても聞きたかったので、電話番号も書いておいた。

するとすぐに電話が。

「かかりつけ薬剤師ね…まあ地獄のような制度ですよね」

バッサリと言い切る小野塚。

でも若月さんの場合は、かかりつけの薬局は絶対に決めた方がいいと思うとも。

みどりが、「私たちも退院後の薬局との連携は必須だと思っていて…」

そう話すと小野塚は、

「明日の夜、この近辺の薬剤師の小規模な飲み会があるんで、良ければ来ませんか?」

とみどりを誘った。

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第19話 私の”精一杯”

患者という役割…

庄司くんは、若月さんが言っていたことを聞いて戸惑っている。

臨床心理士の成田さんはそれを冷静に分析。

想像だけれど、若月さんは自分の存在意義を見出すために、オーバードーズ(薬剤の過剰摂取)を繰り返してるのではないかと。

それに妊娠=『今後』の話が出たことも初めてだった。

彼女なりに変わりたい気持ちがあるのかもしれない。

ただ旦那さんが若月さんの症状に関心がないように見える。

家族のことなどを話した後、成田さんは若月さんの面談に行った。

ーその夜、みどりとくるみは小野塚に誘われた飲み会へ行く。

道中、くるみは自分とみどりを比べたり、うまく患者さんと関われない自分に”私は病院にいる意味のある薬剤師なんだろうか”と考えていた。

飲み会の場所に付き、そこで笹の葉薬局という”訪問診療”をメインにやっている薬局の薬剤師・仁科さん(陽気な人)と出会った。

小野塚は、笹の葉薬局の利用者のほとんどがかかりつけだから、なにか参考になるかと思って呼んでくれたのだ。

するとあそこの先生がいいとか、患者さんの信頼が厚いとか、いい情報がどんどん出てくる。

くるみは急いでメモを取る。

病院薬剤師ではわからない情報をたくさん知っているのだ。

たくさん話を聞いたり、話したりして、

「…あとは患者さんがかかりつけ薬剤師に少しでも心を開いてくれるといいんですけど…」

とくるみが言うと、

「それは相原さんが信頼されてるかどうかも大きいんじゃない~」

と仁科さんは言う。

くるみは、自分の存在感はゼロというか…と答えるしかできない。

そこで小野塚が口をはさんだ。

俺も患者さんにとってそういう存在だったと思うと。

「どんなことでも、ひとりの薬剤師との関りが、その後にも影響するってのはあると思う」

くるみにはその言葉が胸に響いた。

そして小野塚はみどりに、新田さんが今もお薬カレンダーを愛用していることを伝えた。
(※アンサングシンデレラ2巻第7話・第8話参照)

翌日。

くるみは飲み会で聞いた病院の評判を庄司くんに伝え、若月さんの通院先が決定した。

病院に向いてないとか言ってる場合じゃなかった。

どこだってやらなきゃいけないことは同じー

くるみは若月さんに薬局マップを作った。

とてもわかりやすく、細かく作ってある。

「若月さんが決めた薬局の薬剤師と、最大限努力して若月さんをサポートしますから」

「自分の生活に関わる場所を、自分で決めてみてください」

若月さんはこみ上げてくる感情をごまかすように、「なんか…字にまじめさが出てる…」と言った。

薬局マップを見た庄司くんは、あれは葵さんのアドバイスかなんか?と聞く。

くるみは、みどりならもっと何かできたかもしれないと答えつつも、

「そういうの考えるのやめたんです。あれが私なりの精一杯です。」

退院前に、今後のことについてくるみが若月さんに話をするために、面談室にやってくると旦那さんもいた。

実は庄司くんが少し旦那さんと話をしてくれていたのだ。

「初めて搬送されたとき、ただただ恐怖だった。」

「妻がどこか遠くに行ってしまったように感じてます…」

そう口にした旦那さんに庄司くんは、

「そういった話をどんどん医療者と共有してください。」

「新たな一面に戸惑うのは当たり前だと思います。」

と。

今後の治療のために、薬剤師との関わりは重要だから同席するように。

とも言ってくれたおかげで、旦那さんはやってきたのだった。

くるみは嬉しく思った。

ーいつかあなたとの関りが、私に小さな一歩を踏み出させてくれたと、伝えられる日が来るだろうかー

くるみはまた繰り返してしまうことがあっても、そのときはまた全力で向き合おうと思った。

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第20話 長く「看る」こと

先日の飲み会で、みどりとくるみは笹の葉薬局に見学に来ない?と誘われていた。

本当にすることになったので、小野塚と3人で行くことになった。

そこで、笹の葉薬局の仁科さんからどんな薬局なのか説明を聞く。

  • 笹の葉薬局は2年前、在宅特化の薬局としてオープン
  • 患者さんは主に高齢者、終末期の方、認知症、歩行が困難な方など
  • 地域の医師・訪問看護師・ケアマネージャーとかと連絡を取り合って患者さんを診ている
  • 家の中で病院のような環境を作り出している感じ
  • 在宅医療は「長く看る」ことが目的=「最期まで看る」こと

仁科さんは元々は病院薬剤師だった。

名ばかりのチーム医療に違和感を覚え、調剤薬局に転職。

そこが訪問サービスをやっているところだった。

患者さんの普段の生活を実際に見るなんて、病院では絶対にできない。

それに信頼関係も早く築ける。

『自分にはまだまだやれることがあるって気付けたんだ』

仁科さんの言葉に、小野塚は手に力が入る。

調剤室も見せてもらった。

「正直、”儲かっている薬局か”って言われたら全然なんだけど…」

「地域社会に必要な薬局だと、胸を張って言える」

仁科さんは力強く言った。

「でも病院薬剤師よりは確実に給料アップすると思うよ~!小野塚くんはウチに入るもんねっ」

「いやまだ決めてないスから」

小野塚は以前から仁科さんに誘われていた。

小野塚も今はいろいろ考えている時期で、勤め先も4年目に入り、この先どうしたいかやっと考えられるようになってきたところだった。

ただ、笹の葉薬局で働くにしても気になることがある。

24時間対応もその一つだが、特に終末期の患者さんとのこと。

ほとんど接してこなかったし、自分がどこまでできるのか…

そんなふうに不安を口に出す小野塚に仁科さんは言った。

「何より重要なのは、患者さんの生活に寄り添うっていう覚悟だと思う。患者さん本人だけじゃない。それこそご家族にとっても、精神的にも体力的にも厳しい時間になってる。」

「ただそばに座って、話を聞くだけって時間が大切だったり」

小野塚は聞いた。

「…それも薬剤師の役割ですか」

そして仁科さんは、

「もちろん」

「全医療者の役割だよ」

と。

仁科さんは担当している患者さんの話をしてくれた。

ーーーーー

自宅で緩和ケアを続けることにした野澤泰二(のざわたいじ)さん、85歳男性。

入院していたが、自宅療養を希望されたため退院となった。

余命一カ月、家族も自宅での看取りを決意していた。

それから仁科さん含む医療者が野澤さん宅に訪れケアをすることに。

野澤さんは長女夫妻と暮らしていたので、明るくしっかり者の長女の保子(やすこ)さんが、泰二さんの薬の管理や体調の管理をしていた。

そして、泰二さんはあまり食べられなくなってきて、体力もかなり落ちて…

あと一週間くらいかもしれないと医師が仁科さんに言う。

痛みのため眠れないときもあるようで、医師は『鎮静』の説明を泰二さんと保子さんにした。

「鎮静」とは

死期の迫った患者の苦痛が緩和医療でコントロールできなくなった場合、患者の希望があれば鎮静剤を投与して、眠ったような状態にすることである。

死期を早めるものではなく、苦痛を取り除いて穏やかな最期を迎えるための手段。

だが、患者との意思疎通が難しくなるため、医療者や特に家族にとっては重い決断となる。

アンサングシンデレラ4巻 第20話長く「看る」ことより

保子さんは医師から説明を受けるものの、受け止めきれていない様子だ。

仁科さんが訪れた際も虚ろな顔をしていた。

「…家に連れ帰って、ほんとによかったのかな…」

涙をこぼす保子さんに、仁科さんは、

「退院当日の泰二さん、すごく嬉しそうだったのを僕は覚えていますよ」

と言った。

ーーーーー

その後泰二さんに『鎮静』をかけ、先週穏やかに亡くなられた。

ただこれは一つのケースに過ぎない。

もっと大変なところや大変なこともある。

それでも地域で見守ることが当たり前になって欲しい。

「勝手に使命だと思ってるから!」

仁科さんは明るく言った。

夕方になり、笹の葉薬局での見学会はお開きに。

「車出すから駅まで送るよー。」

みどりが呼び出しがかかったのかと聞くと、どうやら仁科さんはさっき話してくれた野澤さん宅に向かうらしい。

「あ…」

みどりの気持ちに気づいた小野塚は、

「…俺たちもついて行っちゃダメですかね」

と聞いてくれた。

「もちろん外で待ってます!保子さんの様子とか、どんな話をしたとか…聞かせてもらえたら…と…」

そして野澤さんの家へ来た。

3人は外から保子さんにペコっと挨拶をする。

保子さんには笑顔があった。

みどりは野澤さんの家に入っていく仁科さんを見て、すごく不思議な光景を見ている気分になった。

待っている間、自販機で買ったジュースを飲みながら話す。

そこでくるみちゃんは、

「この先薬剤師としての…すごく大きな選択肢を知ることができて良かったなって…」

みどりにも今日の出来事は、”薬剤師としてのこれから”を考えるきっかけになったー

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アンサングシンデレラ病院薬剤師葵みどり4巻感想

筆者
筆者

生理痛とオーバードーズの人が特に気になったな。

わたしは生理痛は1日目がちょっとしんどいけど、あとはそうでもないんだよね。

どっちかと言えば生理痛軽い方だと思う。

だから倫のお母さんのように”生理痛くらいで”って思っちゃう節があったかも。

考えたら他人の痛みなんてよくわからないんだよね。

痛みの基準は自分だから。

…ただ普段からすぐ『しんどい』とか『えらい』とか『疲れた』ばっか言ってる人が、生理痛でしんどいって言っても…オオカミ少年なんだけど。

低用量ピルについても、

  • ピルの知識を得る機会ってそんなにない
  • ピルを知ってても避妊薬くらいにしか知らない
  • 生理痛は痛み止めで押さえて我慢っていう対処

が一般的だと思う。

あと低用量ピルで生理痛を軽く…って知っててもなぁ…どうしてもなぁ…

婦人科に行くってことは足ガバッ!のあれ…だよね…

倫はすんなり病院いったけど、ここに抵抗を感じてしまう…

婦人科の医師や看護師は慣れてるからどうも思わないだろうけどね。

行けばなるようにしかならないと腹を括るだろう。

倫くらい苦しんでたら腹を括るかも。

筆者
筆者

オーバードーズ=薬の過剰摂取の人。若月さんは4回も搬送されてるけど…まだましな方なのかなと思ってしまった。

いや、まったく『まし』とかではないんだけど、ダメなんだけど、ドラッグストア勤務のときにも『過剰摂取』のお客さんいたからな。

若月さんの場合は、処方された薬の過剰摂取だから、まだ足取りがつかめる。

再度患者がクリニックを受診した際でも医師が診察することができる。

薬剤師が疑義をかけることもできる。

搬送されたことで、庄司くん・くるみ・成田さんと家族も交えて話ができた。

でも薬剤師のいないドラッグストアだと、誰でも薬を買えるから『いつ・何を・どこで』買ったかなんて全部把握できない。

明らかに『過剰摂取状態』なのはわかってるから、病院の受診勧めるけど…聞き流される。

こういう人ってどうしたらよかったのか。

搬送されるまで放っておくしかない?

自分では絶対気づかんだろうし。

なんかいい方法あればいいんだけどな。

筆者
筆者

他人の行動をコントロールするなんてできない…けど本当にヤバい人をコントロールするには何がいいんだろう?過剰摂取やめさせたい。

それから終末期の患者さんの話。

3巻にもちょっとあったんだけど、こういう話を読むと、『自分だったら?』って考えてしまうな。

わたしは今33歳だから、保子さんの立場だったら?って。

自分には起こらないことだなんて言いきれないし、状況は違ってもいつかはくる時だとも思う。

こういう話を読んだときに、ふと考えちゃうよね。

医療系の漫画って、たまにでもいいからみんな読んだ方がいいなと思った。

生きていく上で切り離せないことを思い出させてくれるというか。

小野塚が仁科さんに、話を聞くことも薬剤師の役割なのか?と尋ねたときに、「全医療者の役割」と言ったこと。

これ本当は家族や友だちも含めてな気もする。

薬剤師として~の話だから全医療者って言ってるけど、医療者じゃなくても話を聞くだけならできるかも。

お茶とお菓子だして「うんうん」って隣でうなづく。

あったかいお茶ってほっとするよね。

家族だったら保子さんに昼寝とかさせてあげて、ちょっと家事してあげるとかもできるし。

患者本人の治療はできないけど、家族とか周りの人にならなにかしてあげられることがあるかもしれない。

保子さんのとこの場合、医療者も家族も患者本人も、目指すところというか見てる先は同じだった気がする。

みどりもくるみも小野塚も、薬剤師としてどうしたいかを考えるきっかけにもなってよかった。

薬剤師じゃなくても自分が今、ここでどうしたいかを考えたいところ。

筆者
筆者

やりがいや使命感があると、仕事って全然違った景色になるよね。

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