『登録販売者の資格をとりあえず取ってみようかな。 何かの役に立つよね。』
と思うなら、ドラッグストアで働きながら勉強した方が資格取得前後すべてにメリットがあるんです。
お金の面でも、時間の面でも、実際どんな働き方をしているのかも知ることができます。
『でも資格持ってた方がパートでも採用されやすいよね?』
たしかに資格を持っているということはアピールにはなりますが、なくてもよほど変な人じゃない限り、パート募集をしているところには採用されます。
『登録販売者資格を取得したらドラッグストアで働くつもり。』
であれば、まずドラッグストアで働くのをおすすめします。
一番お金と時間をかけずに勉強できる
どんな資格試験もそうですが、資格を取得しようと思ったら受験料やテキスト代、勉強する時間が必要になります。
安く済むわけでもなければ、ちょっとテキストをパラパラ見た程度では合格することはできません。
だけど、できれば極力お金もかからず勉強時間も少なく済む方がいいですよね。
ドラッグストアで働けば、働きながら勉強できる上に、受験のためのお金も最低限で済む可能性もあります。
会社によっては受験料を出してくれる

資格試験を受験するということは受験料がかかります。
都道府県によっても違いはありますが、2019年度だと
- 一番受験料が高いのは北海道の18100円
- 一番受験料が安いのは滋賀・京都・大阪・兵庫・和歌山・徳島で12800円
そして受験会場は基本的に各都道府県で1か所です。(受験人数によって増える場合もある)
受験会場が自宅から遠いと、交通費や宿泊費、それにともなう飲食代もかかります。
勉強するにあたってテキスト代もかかりますから、とりあえず受験するには思ったよりお金がかかるんですね。
わたしが勤めていた会社では、登録販売者の資格を1発で取ったら会社が受験料を出してくれました。
合格したらなんで、先に受験料を支払うのは自分なんですが、後から返ってきたので嬉しかったです。
この辺は会社によるので、面接のときに聞いてみてください。
すでに資格を取得している人にテキストを借りられる

登録販売者の資格を取得したら、その後テキストを見返すことはほぼありません。
わからないことが出てきたら、その都度他の登録販売者に聞いたりネットで調べたりします。
そして資格取得前と後では必要なことが変わってきます。
- 資格取得前→試験合格のための知識を得る
- 資格取得後→得た知識を使ってどう接客するか
なのですでに合格して登録販売者として働いている人に、『登録販売者試験を受けるので、テキストを借りることはできますか』と聞いてみるといいです。
ただあんんまり古いと内容が変わっていることがあるので、できれば一番最近に資格を取得した人に聞いてください。
もしいなければ自分でテキストを購入しないといけません。
会社を通して購入するところもあるし、自分でテキストを買ったり、通信教育を受けたりしている人もいます。
効率的に勉強できる

医薬品の知識が0の状態から勉強を始めると、聞き慣れない成分の名前に頭が混乱し嫌になってしまうことがあります。
特に第3章の医薬品の成分は、似たような名前・カタカナ・同じような作用をする違う成分があったりするので苦手とする人が多いですね。
ドラッグストアで働いていれば、日常的に医薬品との接点ができるので『この成分はこの商品の成分だったのか』とわかれば一気に理解でき覚えることが簡単。
家で1からテキストで医薬品の成分を覚えると、暗記することに重点が当たりがちですが、商品と連携して覚えることで資格取得後の接客にも活かすことができます。
登録販売者の働き方を知ることができる

登録販売者の仕事は接客です。
そして常に医薬品の説明をしているわけではありません。
『もし登録販売者の資格を取ったらこういう風に仕事するんだろうな』とあなたが想像しているものとは違うかもしれない。
だからこそドラッグストアで働いてみてから資格取得してもいいと思います。
医薬品の説明は接客
お客さんは、薬を買うときはなんらかの症状があって買いに来る人がほとんどです。(中には常習的に使ってて、何度もやめた方がいいと言っているのにやめない人もいます。)
そこで、どの薬を買ったらいいか迷っているお客さんに『これがいいですよ』と教えてあげるのが登録販売者の役目。
ただ、登録販売者資格を取って知識もちゃんとあっても意外とそれができないんです。
なぜでしょうか?
資格を取ったばかりだと、覚えた薬の成分ばかり考えてしまうからです。
よくあるのは『これには○○の成分が入っているから効きます』と言う感じ。
資格取得前は薬の成分の名前なんて知らないし、勉強しても覚えるのに苦労してきたはずです。
なんの知識もない人へ、いきなり成分の説明をされても意味がわかりません。
だからこそ、どう言ったらお客さんが納得して買ってくれるのかを考えて接客しないといけないんです。
登録販売者も一従業員
医薬品の接客が必要な時に対応するのは資格者の仕事です。
ですが一日仕事をしていても、ほとんど医薬品の接客をすることはありません。
みんな自分で決めて買っていくので。
なので医薬品の説明以外は他の人と同じ仕事をします。
納品したりレジしたり発注したり。
化粧品に関する仕事をすることもありますが、店で化粧品担当がいるのでこちらもほぼしません。
『化粧品の仕事やってみたいな』と思ったら、やってみたいとアピールしないと関わることはないでしょう。
登録販売者として役に立つのは2年後

登録販売者の資格を取ってから、薬剤師または店舗管理者の登録販売者の元で2年働かないと、1人の登録販売者として数えられません。(月80時間以上)
研修中となります。
どういうことかと言うと、研修中の登録販売者1人では医薬品の販売ができない=店舗を営業できないのです。
登録販売者の募集をしているところで一番欲しいのは、研修中じゃない登録販売者。
最近はドラッグストア以外でも登録販売者を募集しているのをみかけます。
ホームセンターだったりスーパーだったり。
だけどホームセンターやスーパーでは、研修中の人を育成する環境はありません。
医薬品売り場の面積なんて小さくて、メインの事業じゃないから人数がいらないのです。
その点ドラッグストアは資格取得をサポートする環境があったり、資格取得後、研修中でも医薬品の接客機会があるので確実にステップアップできます。
社員登用制度があるところも多いですしね。
医療系の資格なので常に新しい知識を手に入れる必要がある

医療系は情報の更新が早いです。
登録販売者として働くなら、最新の知識を持っておく必要があります。
だから、
とりあえず資格を取っておこうというのはやめた方がいい。
資格を取ったらドラッグストアで働くなど目的のある場合はいいと思います。
ですが、とりあえず資格を取っても使わなかったら忘れるし、資格を取ったときとは情報が変わっている場合があります。
ドラッグストアに勤めていれば、情報が入ってくるので知識の更新ができ、自信を持って接客ができますよ。
医薬品を販売する者として絶対やってはいけないのが『たぶん』とか『思います』と言って薬を販売すること。
わからないなら調べるか聞くか、場合によっては病院へ行くことをすすめないといけません。
登録販売者資格を持っていても、わからなくて調べたり聞いたりすることは多々あります。
ドラッグストアならそんな状況にも対処することが他と比べてしやすいです。
お客さんに症状を見せられてもわからない時はあります。
登録販売者の仕事の範疇を越えていますし、診断は医者しかできませんから。
そんなときは病院への受診をおすすめましょう。
登録販売者資格を取るなら、まずドラッグストアで働くのが一番の近道
登録販売者試験を受けようとしている人が、まずドラッグストアで働くのをおすすめする理由は、
- 会社によって受験料を出してくれる
- すでに資格取得している人からテキストを借りれる
- 効率的に勉強しやすい環境にある
- 資格を取っても結局は実務経験を積まないといけない
- 医薬品の最新の情報を手に入れやすい
です。
働くために登録販売者資格の取得を考えている方は、まずドラッグストアで資格のない一般従事者から働くのをおすすめします。